PLEOCENE

絵と音楽とユーモアと

坂本龍一「Castalia」からの短編小説

雲と空

 こんばんは
今日も見に来ていただいてありがとうございます。
ダンケシェーン!

 

坂本龍一さんの アルバム「Playing the Orchestra 2013」より
「Castalia」からのインスピレーションで、短編小説を書いてみました。
このアルバムを持っている方はBGMにして読んでみて下さい。

 

 こちらはYMOバージョンです。


Castalia - YMO

 

気がつくと 私は暗闇を歩いていた。
どこまでも続く暗闇を一人歩いていた。
前へ進んでいるのに後ろへさがり
登っているのに下っている。


しばらくすると、先の方にピカッと光が見えてきた。
私は一目散に光へ向かって走った。
ギュウゥと光へ吸い込まれた。


パッと目の前には、青空と草原がひろがっていた。
ゆっくりと流れる雲。
ひばりのさえずりが聞こえる。
とてもあたたかい。
フゥ~と深呼吸をして、あたりを見渡すと
遠くに建物らしきものが見えた。
そこへ向かうことにした。


それは廃墟だった。
蔦が崩れた建物をビッシリと覆い尽くしていた。
廃墟の中を散策していると
壁に何か文字のようなものが 彫ってあるのがみえた。
ザザッと、まわりの草を払って文字を読んでみる。
「誰も始まるとは思いもしなかった。しかし、戦争は始まってしまった」


気がつくと 私はいつもの街を歩いていた。
コンクリートのビルが建ち並ぶ 灰色の街を歩いていた。


終わり

 

以前Yahooブログ!で掲載していたものを再編集しました。

では股!