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KORGの古いシンセのプリセット音源データの保存方法とバッテリー交換について

シンセサイザー

 

KORGシンセサイザーi3を久しぶりに使ってみると、
「バッテリーが無くなってきたので交換をしてね(日本語訳)」というメッセージが表示されるようになりました。
一部音が変な音色もあるので、KORGの修理会社へ連絡をとってみると、
「バッテリー交換は可能ですが、ファクトリープリセット音源は手元にないのでインストールできません。」
との回答をいただきました。

 

調べてみると、プリセット音源がないと弾いても音が出ない!
この音源は入手できないか調べると、
以前はKORGのUKサイトで配布してたそうですが
現在はありませんでした。

 

そこで、今シンセに残っている音源データだけでも保存をしておこうと
調べてみたら、方法が見つかったので試してみました。
結果は上手くいきました。

 

 

これから、その手順を解説します。
大まかな流れとしては
1.シンセの音源データをPCにバックアップ保存をする
2.シンセのバッテリーを取り替える
3.音源データをシンセに転送・インストールする

 

 シンセの音源データをPCにバックアップ保存

 

内蔵メモリのバッテリー交換の前に
シンセ本体に残っている音色などの全てのデータを
パソコンに保存します。

1.midiデータ転送・受信ソフトを用意

Elektron社のフリーソフトの「C6 Sysex Tool」をダウンロード。

https://www.elektron.se/support/?connection=analog-drive#downloads

PCにインストール。

2.midi USB 変換ケーブルを用意。

これでシンセとPCを接続します。


3.シンセのデータを保存する

midi USB 変換ケーブルをシンセとPCに接続。
次にシンセの「GLOBAL」モードから
「DATA DUMP」ページの「Dump All Data」を選択。

 

Korgi3 グローバルモード画面

 

C6 Sysex Toolを起動。
「Receive」を選択してクリック(データ受信がスタート)
シンセの「Dump All Data」を選択した状態で「Dump」を選んでボタンを押す。
データ送信が終わったら
「Stop Rec」をクリック。「Save」をクリックしてデータを名付けて保存します。
データ形式はsyx形式。

 

c6 sysex tool

 

シンセのバッテリーを取り替える

 

4.シンセのバッテリー交換

ボタン電池CR2032を交換します。
裏蓋のネジを外して基盤にある電池を交換します。
ついでにホコリを取る時は、掃除機を使わずに綿棒などで優しく取り除きます。
スイッチには接点復活洗浄剤スプレーを吹きかけます。
ネジは沢山ありますよ。シンセも重い。電池にたどり着くまでに30分はかかりました。
力まかせで蓋を開けると壊れるので注意。蓋を開ける時には基盤を傷つけないように!

終わったら蓋を閉じて元の状態へ戻します。

 

 

音源データをシンセに転送・インストールする


5.音源データをシンセに転送する

midi USB 変換ケーブルをシンセとPCに接続。
次にシンセの「GLOBAL」モードから
「DATA DUMP」ページの「Dump All Data」を選択。

C6 Sysex Toolを起動。
「Send」を選択し先程保存したファイルを選びます。
シンセの「Dump All Data」を選択した状態で「Dump」を選んでボタンを押す。

C6 Sysex Toolを起動。
「Send」をクリックしてファイルを転送。

完了。

シンセの音を出して確認します。

 

シンセ本体のフロッピーディスク・ドライブの修理について

 


本体の蓋を外した時に、
i3のフロッピーディスク・ドライブはゴムベルト駆動ではないので、
ヘッドを無水アルコールを綿棒に湿らせてクリーニングしたら、
フロッピーディスクを読み込むようになりました。

ちなみにフロッピーディスクドライブのゴムベルトは現在は製造していないので
入手は不可能です。

 

付属のプリセット音源ファイルのディスクについて

 

付属のフロッピーディスクを確認すると2枚中1枚がプリセット音源データファイルでした。
このファイルはフロッピーディスクドライブからしか読み込めません。
PCに保存してC6 Sysex Toolでシンセに転送してもインストールできませんでした。


そこで、シンセ本体のフロッピーディスクドライブからフロッピーのプリセット音源ファイルを読み込み、さらにC6 Sysex Toolを使って全データをPCへ送信することで、音源データは完全な状態でPCに保存することができました。
万が一フロッピーディスクが読み込めなくても、
これで、音源は元通りになります。

 

音源データ(プリセット音源データ)が手元にない場合は
シンセの機種名に「 Patch Files」や「ファクトリープリセット音色のデータ」とネットで検索すると見つかるかもしれません。
例:Korg i3 Patch Files

 

最後にKorg i3のパッチファイルを配布しているサイトのリンクをはっておきます。

 

KORG i3 free patches, sound sets

https://www.engon.de/sounds/korg_i3.htm

 

では股!