2023年1月15日の早朝、高橋幸宏さんの訃報を知って驚きました。
人生の大先輩なので、こんな日がいつかは訪れると思っていましたが、
いくらなんでも早すぎます。
小学生の音楽に興味を持ち始めた頃にYMOを聴き、
その後の人生を幸宏さんの音楽と共に過ごして来たので
このニュースはとてもショックでした。
今は数多くの音楽を聴くようになりましたが、
その土台・核にあるのはYMOであり高橋幸宏さんであり坂本龍一さんであり
細野晴臣さんです。
バート・バカラック、トッド・ラングレン、JAPAN、OMD、Múm、Lali Punaほか数多くのミュージシャンを幸宏さんがきっかけで聴くようになりました。
その日の夜は寝付けなくてラジオをつけっぱなしに。
細野晴臣さんのDaisy Holiday!の放送が終わり選局しているとYMOの曲が流れてくるではありませんか。
FM横浜が試験電波を送信している数時間、
YMOの幸宏さんの作った曲を中心に流していたんです。
さらに目が覚めてしまい、そのまま朝を迎えてしまいました。
幸宏さんは、ドラムを叩きながら歌うのはカッコ悪いと
ソロ・コンサートではボーカルに徹していました。
楽器演奏はシンセやギターで、見せ場の曲になるとドラムを演奏。
YMOの散開コンサートの時もそうでした。
1995年11月新宿・東京厚生年金会館でおこなわれたコンサート(Fate of Gold)に行った時は、開演時間が過ぎてもライブがスタートせず、20分~40分位遅れて始まりました。
メンバーが登場すると、
衣装が届くのが遅れたのが原因でしたと幸宏さんご本人が説明。
1曲目の「僕は運命を信じない」で「衣装が届かなくて~♪」
と歌詞を変えて歌っていました。
幸宏さんも相当ハラハラ焦ったんだと、レアな体験として印象に残っています。
そして1995年頃といえば、テレ朝の深夜に放送の
「竹中直人の恋のバカンス」です。
公園に竹中直人さん扮する見るからに怪しい男性が、大量のナンを持って現れて不思議な行動をする……。
そんなシュールなコント番組でした。
その番組内で、竹中直人さんの「流しのギタリスト チャーリー・ボブ彦」の予測不能で滅茶苦茶な即興歌に合わせて、
幸宏さんの「流しのドラマー ジャッキー・テル彦」が肩からさげた小太鼓を叩く。
そんな流しの二人として、公園で嫌がる人に無理矢理に歌を聞かせる……。
そんなアドリブだらけのコントをしていたのを思い出します。
お二人ともボブ彦&テル彦を気に入られていたようで、
番組を超えて他の場所でも「僕たち二人揃って、流してま~す」とギャグをされていました。
また、竹中直人さんは幸宏さんプロデュースでアルバムを制作。
シングルカットされたドクドクくんという曲は実に不気味……いえ、不思議で独特でした。
Yukihiro Takahashi and Steve Jansen/STAY CLOSE 【Music Video】
幸宏さんのドラムの一番弟子でもあるスティーブ・ジャンセンさんとの共作「STAY CLOSE」のMVは、幸宏さんのユニークな部分が垣間見る事ができます。
また、四月の魚のサウンドトラックに収録されている
「トイレの人のテーマ」という曲はウエスタン風にしたと語っていましたが、
勢いの良いオシッコの音楽描写としか思えません。
そして、ラジオ番組でも細野晴臣さんとのトークが
ほのぼのとしていて毎回面白かったです。
季節ごとに聴きたくなる曲があります。
冬が近づいてくるとアルバム「ONCE A FOOL……」。
特に「遙かなる想い~冬のシルエット」。
アルバムはインスト曲からはじまるのも好きでした。
そして、クリスマスが近づくと
「ドアを開ければ……」「X'MAS DAYS IN THE NEXT LIFE」
「神を忘れて、祝へよX'MAS TIME」「FOREVER BUSTING INTO FLAME」。
春、3月下旬から4月上旬頃は、淡くロマンチックで大好きな曲
「四月の魚」と「君に、サープライズ!」。
そして「HAPPINESS IS HAPPENING」「DRIP DRY EYES」。
5月のいい天気の日の午前中は
アルバム「BLUE MOOM BLUE」「PAGE BY PAGE」。
この2作はJ-POPSはもう創るのをやめて聴く方に徹して、
これからは好きなものを創ろうと制作されました。
細野晴臣さんとのユニットSketch Showから続くエレクトロニカを取り入れたサウンドです。
梅雨の頃は、
「6月の天使」とブレイクビーツを取り入れた鈴木慶一さんとの共作「トラジコメディ」。
夏はエレキギターサウンドが夏全開のアルバム「音楽殺人」と「薔薇色の明日」。
そして「BACK STREET MIDNIGHT QUEEN」。
最後に秋は
JRAのCM曲だった「青空」と「今日の空」そして「十月の恋」と「白銀は招くよ」。
「今日の空」は、幸宏さんいわく情けない男の曲。
文学的でせつない歌詞とメロディ。
曲の最後はドラムがいきなり終わるという手法。
曲に余韻が残るのと、ライブ用に新たにエンディングアレンジを考えなくてよいと
この方法にしたそうです。
この曲は幸宏さんのエッセンスが詰まった名曲です。
ドラムはイントロから2:02までが打ち込みで、その後は生演奏。
言われないと区別がつきません。
最後は、これからも私の人生は幸宏さんの音楽と共に歩んでいくという意味をこめて、この曲を選びました。
WALKING TO THE BEAT。映像は1985年のツアーONCE A FOOL……より。
きっと向こうで、大村憲司さんや加藤和彦さん、忌野清志郎さんや景山民夫さん達と再会してワイワイ楽しまれている事と思います。
高橋幸宏さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
これからも幸宏さんの音楽を聴き続けます。
Be forever Mr.yukihiro takahashi !